蘇洞門(そとも)めぐり遊覧船の待ち時間に
港内にある持ち帰り寿司屋さんのイートインスペースでお昼ごはん。
お値打ちで新鮮。やはり海の近くで食べるお寿司はいいですね。

その時、店内のポスターの言葉が目につきました。
ポスターのキャッチコピーは忘れましたが「御食国」という言葉。
読み方もわからないし、もちろん意味もわかりません。
その時は、こういう言葉もあるのかなあという程度でした。

遊覧船に乗って蘇洞門めぐりを楽しんでいる時、
バックに流れる観光アナウンスに「みけつくに」という言葉がありました。
何気なくその内容を聞くと、
「みけつくに」=「御食国」(!)だということに気がつきました。
初めて聞く言葉です。

その昔、食材を朝廷に納めていた国を「御食国(みけつくに)」と呼んでいたのだとか。
万葉集では、若狭、伊勢志摩、淡路が御食国と謳われているそうです。
ということは、若狭は朝廷に納めるほどいい(高級な)食材が
豊富にあったということなのでしょう。

たしかに若狭には海産物などを京都まで運んだという、
「鯖街道」と呼ばれる道がいくつもあります。

もちろん冷蔵庫などない時代。
鮮度の落ちが早い鯖をはじめ、新鮮な食材をいかに保存し、京へ納めたのか。
一塩したり、漬ける(発酵する)ことで、旨味が増し保存が効く。
それが、塩鯖やへしこと呼ばれる鯖の糠漬けのことなのでしょう。

保存食、発酵食の不思議さ。若狭の歴史。
ほんの数分のアナウンスに心を動かされてしまいました。

そしてどこの地でも、先人の知恵が生かされた食材は
現代では特産品や伝統食となっています。

下調べもせずに訪れた小浜は、わずか数時間でしたが
知れば知るほど魅力が増してきました。
歴史ある古い町で寺院が多く、国宝も多いと聞きます。
次回小浜を訪れる時は、いろいろな鯖料理を食べて、
町を歩いて、泊まりたいと思いました。

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鯖街道には「京は遠ても十八里」そんな言葉があるそうです。
約72km。1日で小浜から京都まで食材を運んだ昔の人たちの健脚に驚きますね。