旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2012年04月

こちらのコラム↓
「第222回 久しぶりに夢中になる本に出会いました」で
とても好きになった書籍のことを書きました。

この方の作品は何度読んでもおもしろい。
久しぶりに夢中になった作家さんです。

みをつくし料理帖シリーズにでてくる
料理や食べ物もたいへん興味深いのですが
なかでも
「花散らしの雨」という巻の「こぼれ梅」という項。

最初はそれが食べ物とは知りませんでした。
味醂の搾り粕で、
手にとると、ぽろぽろと崩れることから
上方では、それを「こぼれ梅」ということ。

こぼれ梅ってどんな味なんだろう。
そんな興味を持っていたのですが
今年にはいって、大須観音の近くを歩いていると
お漬け物屋さんの店頭に「こぼれ梅」と手書きのPOPが!

近寄って確認。確かに味醂粕でした。
一緒に売られていた大吟醸の酒粕とともに即購入。
こんな身近でこぼれ梅を購入できるとは!
てっきり大阪にいかないとないものと思っていました。

こぼれ梅の感想は…。

味醂粕ですから、甘〜い香りがします。
一口つまもうとすると、パラパラと崩れます。
そーっとやさしくつまんで、口の中へ。

口には、ほわ〜んと甘味が広がって
これはとても上品な甘さです。
この甘さから梅の名前がついたのでしょうか。

お茶うけやおやつに食べると本にはあります。
こぼれ梅と名付けた上方の人は、
なんて風流なんでしょうね。
ただの搾りカスが、おいしくて、とても上品な食べ物になっています。

大須観音近くに行くときは、
こぼれ梅、必ず買っています。
すっかり、私の大好きなものになりました。

でもお酒が飲めない人は、一気に食べ過ぎると
ちょっとぽわ〜んとして、酔っちゃいますよ。
味醂ですからね。

名古屋はちょうど桜が満開です。
春先に寒い日が続いて、
今年はやっと春が訪れたという感じです。

今年は花を見に行く予定もなく、
両親のお墓参りに出かけました。

どちらかというと、渋滞に巻き込まれたくなかったので
満開の時期がずれていてよかったと思っていたのでした。

やはり山肌に立つ墓地の桜はまだまだ。
そんな事を思いながら、ゆっくりとお墓参り。

さてと、墓地の駐車場から車をだして国道にでる途中、
満開の桜の木が目にはいりました。

こんなところに大きな桜の木。
お寺の境内の桜のようです。
名所のようで、駐車場には車も多く停まっています。

車がやっとすれ違うくらいの道幅でしたから
前後に車がきていて車窓から、
わずかな時間の花見をしていました。

本堂らしい大きな建物の屋根をも越すぐらいに思えた大きな桜の木。
お墓参りの時は、毎回というほど通っているのに
初めて気づいたのです。

この後、珈琲専門店にはいり、お話を伺っていると…
とても有名な桜の名所だそうで、
樹齢200年と100年あまりの2本のしだれ桜なんだとか。

あーなんてもったいないことを!と思いましたが
そう伺っても戻ってみることはせず。
花見客も増えて、車も通りづらくなるだろうから
来年、ゆっくりと見よう…なんてのんびりしております。

とてもきれいで、心に残る満開の花って
なんだかすごい宝物を見つけたような
そんな驚きとうれしさがあります。

この大きな桜の木は、きっと私の好きな一本になるでしょう。
車の窓から、ちらっと見ただけでも感動的でしたから。

こちらのコラムの第271回で
オリジナル商品づくりに挑戦していることを
綴りました。

あれから、実は
モモMサトウさんのパンパステル作品を使って
オリジナルスケッチブックと一筆箋を
製作しました。

一品ずつ違う印刷会社さんにオーダーしたので
思い立ってから半年ぐらい経っているでしょうか。

今はインターネットで印刷屋さんを
探すことができるし、
私もDTP関連ソフトを持っていますので
割と印刷データづくりはできるのです。

しかし、お値打ちに刷るために
色校正など省いている部分もあります。
印刷物って、モニターで見るものとは
色の再現性が違いますので
色校正はしたいところなのですが
それもコストのひとつなのです。

できるだけ単価を抑えることが
お客様に買いやすい価格につながってもきます。
いくらオリジナルだからといって
高すぎる価格設定では、購入しづらくなってしまうかも。
特に雑貨や文房具などは
そんな気持ちが根底にありました。

印刷代を抑えることが優先だったので
仕上がりがどうなるのか不安でした。

「原画の雰囲気に近い、大丈夫」
実物を見ていただいた作家のモモMサトウさんの言葉に
ホッとしました。

様子を見ながらの印刷だったので
小ロットでの発注でしたが、すぐに追加発注。
そして、次の一筆箋シリーズの製作につながりました。

自分の絵や写真などの作品が
一筆箋などのオリジナルの商品となることは
感慨深いことでしょう。

作家ご本人が一番喜んでくれています。
私自身も実際に商品を手にした時はうれしくなりました。

オリジナル商品づくりのお手伝いをすること。
私のもうひとつの仕事として、発展させることができるでしょうか。
そんな事を思いはじめました。

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