旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2010年08月

本屋を目的もなく、うろうろするのが
結構好きなのですが…
最近はめっきりそんな時間も減ってきています。

近くの本屋では、なかなか好みの店がない。
気持ちにも余裕がなくて
本屋でゆっくり過ごすことを、しばらくしていませんでした。

先日の高田郁さんの本がきっかけになったようです。
なんか読みたいな的に
時間を潰していると
「いいな」と思った装丁の本。
文庫だから装丁ではないですかね。
表紙の絵にとても魅かれました。

いったんはその平積みから離れたのですが
また戻って、その文庫を手にとる。
坂岡真さんの「のうらく侍」。
奉行所の腐敗を成敗する剣客ものという感じでしょうか。
人気作家さんですが、初めて手にとりました。

筆で描かれた表紙絵が妙に気にいったので、
普段はブックカバーをするところなのですが
カバーせずに、そのままかばんの中にはいっています。

横田美砂緒さんという方が描かれているそうです。
検索するとすぐにブログが見つかりました。
日本画を学ばれた方だそう。

表紙の絵は、たぶん1話を
モチーフとされたのかと思われる構図。
表紙には主人公(のうらく侍)の顏はありません。

孫六兼元という名刀と、
無外流の千鳥という技を持つ主人公。
それが表紙に表現されていて
読み進めるほど、表紙絵にほれぼれしています。

もちろん、坂岡真さんの「のうらく侍」シリーズも
たいへん面白いので
続編も読むつもりでおりますが
初めて表紙絵に惚れた横田美砂緒さんの
今後も楽しみになってきています。

なかなか片づけ下手な私。
そんなに買い物しない私でも
やはりモノが増えてしまうのと、
貧乏性で捨てられない“もったない”病でもあると思います。

40歳もなかばになり、
「万が一」を考える事が多くなりました。

両親も亡くなり、実家もない状態。
賃貸住宅暮らしは、たぶん続くでしょう。
思い出深いものもありますが
できるだけ身軽にしておいたほうが良いかなと。

二人所帯なら2DKあるいは1LDKぐらいで充分。
収納が少ないなら、ものを減らしていこう。
年とともに、そんな気持ちが強くなっています。

先日思い立って、食器の整理をしてました。
器好きでもあり、
日常使いの食器棚のほか、コーヒーカップだけの小さな小さな収納家具。
押入に好みのレトロ食器保管スペース。
ガスレンジの下の収納にも食器。

まずは、日頃使う食器の分別。
銀行とかお店とかでいただいたものは
たいてい好みではないけど、もったいないからと使っていたもの。
そして、5年以上使っていないもの。

それだけの基準でしたが、食器棚はかなりスッキリ。
不燃ゴミの袋(10L)が2袋程度。
まだまだマグカップやコーヒーカップ系の整理が
できていませんが
それでもスッキリしています。

大人数用のすき焼用の大きな鉄鍋、
居酒屋風の1人分サイズの小さな鉄鍋、
非常に安かった鉄瓶。
鉄モノももったないけど、サビも多少あるけど、ホントに使っていない。
これも悩んだけど、処分に。

生活する人数や好み・スタイルが変ってきているし、
結局いつも使うものって決まってくるし。

ホントに好きなモノ、気にいったモノを
最低限揃えてある生活がいいなあ、あこがれるなぁ〜、
まだまだ減らせないかなぁと食器棚を見つめております。

今年は「午前十時の映画祭」という、
なかなか嬉しいイベントがやっています。

一日一回。一週間に一本。今年一年で50本の名画が
リバイバル上映されるものです。
50年から70年を中心に、洋画を50本。
全国の劇場で上映されているようです。



名古屋は映画館が少なくなりました。
二番館的な上映館はあるのですが
名画座的なリバイバル上映館は全くありません。

ビデオ、DVDなど普及され、
ロードショー後にすぐ発売になるので
そんな名画座はなくなってしまったのでしょうか。

小さな映画館で上映されていても
その場の雰囲気、大きなスクリーン、いい音響の中で
観ることが好きなので、
やっぱり映画館に足を運びたいのです。



今回のこのイベント、鑑賞料金は1,000円也。
この金額は嬉しいものです♪

上映館はシネマコンプレックス。
きれいな映画館で飲食もそこので買うものならOK。
広い駐車場もあり、料金も4時間以内なら無料です。

なかなか50本全部は観ることができませんが
好きな映画、スクリーンで観ておきたい映画は
ぜひ都合をつけたいものです。

今週観たのは、スティーヴ・マックィーン主演の「ブリット」('68年)。
サンフランシスコの市内を走るカーチェイス。
特にこの映画の影響で、アクション映画にカーチェイスがかかせなくなったのだとか。
そしてかっこいい音楽。
40年以上前の映画に感じさせない、飽きないストーリー。
クールなマックィーンの魅力だけでない
面白い映画でした。



テレビの○○映画劇場とかの番組でも
新しく封切りになる映画の関連モノばかり。
こうした年代を越えたいい映画を観るチャンスが
本当に少なくなって
なかなかいいイベントを企画してくれたと思っています。
感謝。

初めて読む、知らない作家さんの小説は
なんとなく帯や本の裏の説明で
パッパッと決めて購入します。

特に、食いしん坊の私は
食べ物がテーマの小説が大好き。
それは池波正太郎の本を読んでからです。

読むか読まないか、
わずか数行の粗筋で決めてしまいます。

先日、何気なく書店で手にとった文庫本。
その本もさほど強烈なものは感じなかったのです。

なんとなく、購入したところ
これが非常に面白く
一週間で販売されている3冊のシリーズを
2回も読みました。
読む速度の遅い私には、これは非常に珍しい事なのです。

高田郁(たかだかおる)さんの「みをつくし料理帖」。
料理人である上方生まれの娘「澪」が主人公の時代小説です。

両親、友人を水害で亡くし、
天涯孤独の身となった澪。
偶然に助けられた料理店「天満一兆庵」で奉公をするようになります。
そこで味覚の鋭さなど天性のものを見いだされて
当時ではあまりない、女が厨房に入り、修行を重ねるも
火事で店舗は焼失。

店主、ご寮さん(女将さん)と澪の3人は
江戸店を切り盛りする若旦那を頼って江戸にくるも
莫大な借財を背負って、江戸店を手放し、消息不明。

江戸に残り、料理人として「つる家」をまかされ
若旦那が生きていること、天満一兆庵の再生を願いつつも
澪の身には、これでもかというほど
無理難題、苦労が降りかかります。

それでもなお、ひた向きに立ち向かい
問題を解決しながら、
料理人として、人間として成長していく澪の奮闘ぶり、
澪の周りの人々の人情、、、
ついつい、ぐっときてしまって目が熱くなってしまいました。

涙がでそうになるようなシーンや
思わずメモしておきたい言葉、
もちろん登場する(簡単な)レシピはつくってみたいなんて…
またまた今週も読み返してしまいそう。
しばらくは、みおつくしにどっぷりです。

久々に面白い本に出会いました。
次の本が非常に楽しみです。

そして作家の高田郁さん。
この方の作品にもはまりそうです。

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