旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2008年07月

webやDTPの仕事には、写真は欠かせません。
ユーザーに伝えるために、商品写真、イメージ写真は必須。
写真は重要な役割をもっています。

今はデジタルカメラが普及して
プロでなくても、そこそこきれいな写真が撮れます。
特に予算のない仕事ですと
ライターさんが写真を撮ったり、
デザイナーがデザイン案の段階でイメージとなる写真を
撮影することも、まま(よく?)あります。
時にはクライアント側の担当者が撮影したものも…。

webは画像の解像度が低いので
ごまかしが効く場合がありますが
今はブロードバンドで大画面の時代。
画像も大きく、
ファイルやムービーも容量よりもクオリティを問われています。
そのほうが、より商品をユーザーに伝えられる、
会社のイメージもより良く伝えられると思います。

でもプロのカメラマンに発注できない時は
誰かが撮影しなくてはいけない。
でもきれいな写真が欲しい。
クライアントから支給された写真はきれいじゃない。
ジレンマに陥りそうです。

そんなことを長年繰り返しながら、
「もっと写真に対する目を持とう」と思ったのです。
自分にもいつもそう言い聞かせ、
たくさんwebサイトを見たり、写真のきれいな雑誌を見たり。

そして頭の中にある自分のイメージと
撮影した写真に愕然として、自分でNGを出し、
カメラの設定を触りまくって…
そうしていると、自分のお気に入りの写真が見えてきたりします。
まだときどき…ですが。
デジカメはいっぱい失敗しても、やり直せるので
私にとって勉強のための機材となっています。

自分でやってみて、その難しさを知る。
なんだかそんな事の繰り返しばかりです。

東海地方、特に愛知県は喫茶店の多い町ということは有名ですね。
特に朝のモーニングサービス。
コーヒー1杯の金額で、
コーヒーにゆで玉子とトーストがついたサービス。
このサービスが当たり前と思っている私は、
朝、喫茶店に行って、モーニングがついていないと
寂しくなります(笑

自宅で仕事をしているので
忙しいと、ほとんど外出しないことにもなります。
休憩がてら、気分転換に喫茶店にいって
雑誌や新聞、本などを読みながら1時間ほど過ごします。

私のお気に入りの喫茶店は
コーヒーがおいしいことが第1条件!
そしてお店の雰囲気。
ゆっくりできる、うるさくない、BGMのセンスなどなど。

今はチェーン店のコーヒーショップが凌ぎをけずっていますが
できたら、自家焙煎のコーヒーを使って
丁寧に一杯一杯ドリップしてだすお店がいいです。

あいにく家から歩いていける距離には
お気に入りの喫茶店が少ないのです。
散歩がてら、そこにいけるのがいいのですが、
気が多い私は、毎日同じ店に行くことに飽きてしまいます。

今日はどの店にいこうかな。
そんなことを考えるのもいいものです。

人間観察も好きな私は
時々、お客さん同士の話に耳をすませたり…。
地域の情報を仕入れたりしています。

私にとっては、休憩のための喫茶店ですが、
時には企画やデザイン案を考えていたり…、情報収集したり…。
喫茶店も仕事場になる時もあります。

そんなこともあるので、
わりとほかっといてもらえる、
距離感のある接客をしてくれるところがいいですね。

…なんて好きなことを書いていると
なんとまあ、わがままな客だこと。

私は目利きができないけど器が好きで、
瀬戸市に住んだのも
作家の器や、お祭りなどを見にきていたこともあったからです。

これっいいっ!
そんなワタシ的なわがままな感覚で、器をセレクトしています。
若い頃は、オリジナリティを追求する作家さんの器やガラス、
その後、骨董市で手に入れた欠けた器や
旅先で手にいれた器やグラス。
瀬戸に越してきてからは、
リサイクルショップなどで埃にまみれていた食器など。
わが家の茶箪笥には脈絡もなく、
その時その時で気にいったものがはいっています。

器は生活の中にあるもの、使うためのものという考えなので
ガンガン使っています。
やさ〜しく、そぉ〜っと扱っているわけではないので
パリーン!と割ってしまうこともあります。

「器はワレモノ」と思っていても、
なかなか不燃ゴミに出せない、あきれめきれない、
お気に入りの器があるものです。

そんなお気に入りを
また使えるようになりたいな、ということで
数年前にある金継教室へ習いにいきました。

週1回通っていましたが、
引っ越しや仕事の関係で、遠くなってしまい、
自然と足が遠のいてしまいました。

1年ぐらい経った時、
やっぱ金継ぎしたい!そんな悶々とした気持ちがあって
インターネットで検索したところ、
多治見市の市之倉さかづき美術館で
金継教室が行われていることを知りました。

市之倉は、家から車で道一本。30分もかかりません。
インターネットってステキ!
そんなことを思いながら
電話をかけて金継教室へ申込ました。

でも内心、やきものの町である瀬戸市には
そういう教室がないことを残念に思いました。

以前、私がそそられる風景のひとつとして
坂道をテーマにしたコラムを書きました。
第30回 町歩きの楽しみ「坂道」

東京の坂道をテーマにした
タモリさんの書籍も持っています。
先日ラジオで坂道が好きな名古屋在局のアナウンサーの方が
番組の中で坂について語られていました。

やはり、坂好きにはそれなりのこだわりがあり、
好きになる坂の条件もあるようです。

私がそそられる坂とは何だろう?
考えてみました。

路地裏も好きな私は
どちらかというと町の道が好きです。
しかも道は狭いほど、そそられる(笑
坂の下から眺めて、
まっすぐよりも適度に曲がっていて、
古い家がたっていて、生活感が感じられること。

玄関の前の発泡スチロールの箱庭や
どこからか聞こえてくる人やテレビの音声。
生活感たっぷり、下町の雰囲気がいいのです。

私が住む瀬戸の町は、陶磁器の町として歴史があり、
そして山が身近にあるので、坂道が多いです。
なかでも、私の家から近い窯垣の小径あたりは
古い建物も残っており、なかなか良いのです。
陶磁器関連の廃材などが門柱などに使われ、
独特の雰囲気があります。

人しか通れない道に家が建っている。
小高い山に家が密集している地域なので
その細い道は坂道なのです。
お手製っぽい階段や、小道を上るとと
まだ上に家があるのかと驚きます。

そんな坂道、路地裏をデジカメで撮影しながら、
朝の散歩なんぞをしています。


先日のアナウンサーの方が
坂学会というホームページを紹介されていました。
結構、坂道好きがいるんだなという驚きと
人それぞれの「坂道」を少しずつ読む楽しみができました。

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