旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2007年10月

山岸涼子原作の「日出ずる処の天子」というコミックに
はまったことがありました。
呪術を使う、神秘的で妖艶な厩戸皇子。
実在したであろう人物がでてきましたが
遠い遠い昔の、神秘的な世界を描いていたような
そんな不思議な雰囲気だなあと感じて
読んでいた記憶があります。

そんな頃、聖徳太子ゆかりの寺院である
法隆寺を見たくて、訪れたことがありました。
その時はまだ世界遺産ではなかったかと思います。

それから20年以上もたってからの再訪。
南大門から見える境内の雰囲気がよく、
やたらとカメラのシャッターを押していました。

久しぶりのワクワクした期待感は
その凛とした空気に、吸い込まれました。

手入れの行き渡った、想像以上に広い境内。
日本最古の五重塔をはじめ
国宝、重要文化財を多くの建築物、仏像、宝物を目にしました。

飛鳥時代、白鳳時代、奈良時代…
想像もつかないくらい古代のもの。

それらに歴史を感じ、想いをはせ、その技術に驚き
「よくぞ現代まで残っておりました」と
ありがたさを感じてしまいました。
入場料1000円は高めだと思ったのですが
十分に保存していってくださいねという気持ちを込めれば
高いものではないなと。

かなり歩き疲れてしまいましたが、
それでも見逃したもの、感じなかったものが
まだまだたくさんあるのかもしれない…。
教科書や書籍など、
いろんなもので目にしている法隆寺ですが
そんなことを感じてしまいます。

今年で建立1400年になるとか。
次に行くときはどんなことを感じるか。
法隆寺だけでなく、斑鳩の里を巡ってみたいなと
すでに次の旅のことを考えております。

東大寺は、小学校の修学旅行や
家族旅行で何度も行った記憶があります。
でも一番覚えているのは、落書きされた塀や門の奥にある
大きな大きな白い建物。

たぶん、大改修の時期だったのではないかなと…、
15年以上行っていないということになるのかな。
あいまいな記憶です。

奈良国立博物館の建物を見た後、東大寺・南大門へ。

たくさんの観光客、特に修学旅行生。
そしてたくさんの鹿たち。と、鹿のウンチ。
鹿も人が多ければ、えさがもらえるとわかっているのでしょうね。

南大門に鎮座する巨大な阿形、吽形の仁王様。
運慶が中心となって制作されたというその彫刻は
その表情や、布の柔らかさなど
これが木彫りかと驚くほどです。

金剛力士立像に見惚れていると、私のカバンに鹿が鼻をくっつけてくる。
おやつははいっておりませんよ。(笑

南大門をくぐって、金堂(大仏殿)へ。
本当にその大きさに驚きますね。
「奈良のだいぶっつぁん」
大阪に住んだことのある亡父が
そんな風に親しげに呼んでいたことを思い出しました。

子供の頃にはただただ大きいと思っていただけの大仏さんですが、
大仏の造立が必要だった時代背景や、
制作に関わった数多くの技術者や職人たちなど
多少なりとも頭をよぎりました。

現在の大仏殿の幅は、創建当時の3分の2くらいだとか。
こんな大きな建物を建てる技術があった当時の日本。
職人たちの経験で、これだけのものを造ったとは
想像以上のものです。

大仏殿のあと、二月堂や戒壇院など境内ぐるっと見て回り、
東大寺の北側にある正倉院の近くまで歩きました。
修学旅行で見るのは、ほんの一部ですよね。
ゆっくりと境内を歩き、周辺を自転車で巡り、
国宝の仏像をたくさん見た一日でした。

2泊3日の京都・奈良の旅。初日は奈良へ。

観光地近くのホテルはお得な宿泊プランがあって
たいへんありがたいですね。
移動しやすいようにと奈良公園周辺で探したホテルには
世界遺産ぶらり自転車プランというのがあって
自転車の一日レンタル料金と、朝食付き。
ミネラルウォーター500mlのサービスありとお得感あり。

チェックイン後さっそく自転車に乗って
亀がたくさんいる猿沢池のほとりを通り、
すぐ近くの興福寺へ。
2010年に創建1300年を迎えるという歴史のあるお寺さんでした。

境内案内図を読み返すと
南大門跡から境内にはいったようです。
境内にはいってすぐ、五重塔が聳え建っています。
いつみても木造の塔のすばらしさは感動します。
五重塔だけでも何枚も写真を撮っていました。
猿沢池からも、この五重塔が見えます。なかなかいい風景です。

国宝館で寺宝を見学。
見覚えのある有名な阿修羅像をはじめ、
奈良時代、鎌倉時代など教科書でしかなじみのない
古い時代に造られたものが残っています。

仏の表情や布の雰囲気などを表現した技術もさることながら
絵画や工芸、資料など
それが残っていることに驚きます。

さて、国宝館をでて境内を回ると、中心部は工事中でした。
創建1300年を迎えるにあたって
老朽化した中金堂の解体・再建と、周辺の整備を行っているとのこと。
歴史の荒波の中で何度もの火災に遭い、再建を繰り返したそうで、
中金堂再建後の興福寺は
どういう姿になっているでしょうか。
また違った感動を得るかもしれません。

ちょうど奈良は夜のライトアップのイベント中。
ライトアップされた夜の五重塔もいいものでした。

やっと迎えた、遅い夏休み。
京都・奈良の寺社仏閣などを巡ってきました。

京都は小学校の修学旅行をはじめ、
何度も訪れていますが、
奈良は数回程度。

今回は世界遺産でもある
日本が誇る有名なお寺を巡るのが目的。

海外に行くと、日本の良さを感じることは
ありませんでしたか?
もっと日本を知っておきたいと思うようになりました。

昔みたものを、年をとってから再度改めて見る。
日本の歴史や良さを感じてみようと
思ったことが、この旅のきっかけです。

バスで行く団体旅行と違って個人旅行。
重点的に歩く地域と、行きたいところと宿を決める程度の
気ままな旅です。

奈良は奈良公園周辺、京都は東山。
日本を代表する観光地ですね。
子供たちの本当の修学旅行と一緒になって
お寺さんや仏像を見てきました。

子供の頃や若い時に
日本に触れることも大切でしょう。
ですが、その時ではわからないことがたくさんあったかと思います。

大人になってから目にすること、聞くこと、感じること。
そのすばらしさを感じた旅でした。
これから少しずつ、大人の修学旅行記をご紹介します。

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