旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2007年08月

先週は久しぶりに時間がとれたので
お盆に行けなかったお墓参りに。

岐阜県海津市南濃町の山の斜面にある
我が家のお墓は、
天気がよければ、ちらっと濃尾平野が望めます。

カラスの鳴き声もしますが
猿がお供え物を狙っているようです。
以前はさほど気にならなかったのですが、
ところどころ、お墓に供えた花などが散らかっていたり、
注意を促す看板などが立てられるようになりました。
えさを求めて、町におりてくる猿たちのニュースを聞きますが
ここでもそうなってきているようです。

ここ海津市は海津町、南濃町、平田町が合併した町です。
三重県と愛知県に接する、岐阜県のはしっこ。
木曽三川と呼ばれる木曽川、長良川、揖斐川の大きな川と
その支流がたくさんあり、
水郷、輪中の町として有名です。

この地域は土地が低く、
昔から水害に見舞われた過去があるようです。
たしかに古い大きな家は
基礎部分がしっかりと石積みされて、高くなっています。
多分建物の中も、被害を抑えるための工夫が
なされていると思います。

お隣の養老町も含め、水郷の町では
昔から川魚料理がよく食べられています。
子供の頃は甘露煮など、ちょっと苦手だったのですが
モロコの甘露煮、押し寿司、フナの刺身、ナマズの蒲焼き…
郷土料理の良さに気づいたのは
大人になってからでした。

しかし、モロコなど収穫量も減ったという話も聞きます。
水郷の町も、水の美しさが減っているのか、
ブルーギルなどの外来魚が増えているのか
その良さに気づいた時には
時代が流れていて、少し寂しさが残ります。

子供の頃からよくきていた地ですので
とても愛着があります。
商売繁盛のお千代保稲荷、
草餅、蜜柑や柿、ナマズやモロコなどの川魚料理…
通り過ぎるだけでは
もったいないと思う今日この頃です。

書類を整理していたら
岡崎城のパンフレットがでてきました。
そういえば、昨年春ふと立ち寄った時購入したものでした。

徳川家康の居城として有名な岡崎城。
三河の地で、大きな川があって…
その地の利や、戦略的な意図があっての
築城だと思いますが
私はその歴史的背景や建築のことよりも
天守閣にのぼったり
周辺からお城をながめていたりと
観光気分。

でも最近、海外よりも日本に目がいくようになって
せめて自分の住んでいるところの近くにある
名所旧跡のことは知っていたいなと
出かけた先にパンフレットや資料があれば
できるだけ購入するようになりました。

そういった一般的な資料は
文庫や歴史本よりも、ちょっとお高い時もありますが、
とてもわかりやすく
何も知らない者が読むには、
いいものだなぁと改めて気づきました。

出版する立場では
そういった目的で作っているのでしょうけれども
有料となると、なかなか購入しづらいものです。

その裏では資料編纂や歴史考証など
たくさんの時間をかけて編集されたものなんだろうと
印刷物のデザインに携わった経験から
想像してしまいます。

ただお値段は、手頃な価格がいいですね。
パンフレットで1000円以上すると
購入を控えてしまいます。
入場料も500円くらいまでだといいですね(笑

現在発売されている「Casa BRUTUS」という雑誌。
「日本建築、デザインの基礎知識2」という
特集タイトルに惹かれ、購入しました。

2ということは、1もあるわけで…。
もちろん、そちらも購入しております。

子供の頃、親や祖父母に連れられて、
バス旅行で日本の観光地や有名な神社など
出掛けた記憶があります。

中学・高校生の頃は世界史のほうが好きで、
意識は海外に向かっておりました。

年齢を重ねるほど
日本のほうに興味がでてきまして、
京都や奈良の寺社仏閣めぐりや、街歩きをしていました。

それはただ外側から見て美しいなとか、
歴史や雰囲気を感じる程度のことだったかもしれません。

Casaの表紙には
美しい国、ニッポンをきちんと説明できますか?
と書かれてあります。

そのサブタイトルにガツンと心動かされてしまいました。
記憶力がいいほうではありませんので
読んでも忘れることのほうが多いのですが…(苦笑

日本の建築の歴史から寺院建築の簡単な説明、
茶の湯の歴史、茶碗のこと…。
初心者向け(?)にわかりやすくまとめています。
これは私の参考書になりそうです。

様々な技術と人々の願いが結集された寺院。
茶の湯の世界に広がる日本人の美意識。
日本の建築や意匠を説明できなくても
ある程度…いやちょっとだけでもわかるといいな、と思います。

少し日本の感じ方が変わってきているなと。
それも年齢を重ねたせいでしょうか。

今号のCasa BRUTUS、
京都のおいしい茶処マップがついていて
食い気たっぷりの私には、こちらも魅力的♪
これははずせませんね(笑

電車に乗る機会が少なくなったので
買物や打ち合わせなど、
出掛けるぞ!という気を持たないと
いかなくなってしまった名駅(名古屋駅)近辺…。

久しぶりに時間的な余裕ができたので
仕事に関する市場調査などもかねて
名駅へと出掛けました。

名駅周辺は
新しいビルがどんどん建てられて
ずいぶんと様変わりしています。

ミッドランドスクエアという
高級ブランドが多くはいる高層ビルができて
このビルの周辺はスタイリッシュという言葉がぴったりな
雰囲気となりました。

以前、ここにあったビルの裏手は
パチンコ店などのネオンがギラギラ…
というイメージだったのですが
昨日改めて見てみると
道幅が広くなって、空が広がってみえるような気がしました(笑

ミッドランドスクエアのすぐ近くには
魚や野菜を扱う市場があります。
午前中はまだ店が開いていて活気があり、
この一角は、車もなかなか通れません。

おしゃれなビルの近くに
威勢のいい、活気のある魚くさい街。
このギャップって結構好きなんですねぇ。

建物の中にはいってのショッピングもいいですが、
天気のいい日は外を歩くと、いろんな発見があります。
真新しいビルを見やって変わったなあと思ったり、
建築中のビルの進行具合や、それと対照的な古いビル群。
柳橋のような市場があったり。

ミッドランドスクエアの影響で
名駅は百貨店などがリニューアルし、
新しいビルなどの建設ラッシュとなっています。

すべてが変わってしまうのは、なんだか寂しさも感じます。
スタイリッシュと、威勢の良さと、雑多な雰囲気。
そんなごっちゃな街も、おもしろいなと思います。

最近またお菓子の本を読んでいます。
といっても、レシピ本なので
見るっていうカンジですね。

なかなか作る時間がつくれないのですが
「これなら簡単につくれそう」なんて
チェックしておきます。

そんな愛読書は、
「あまくておいしい!砂糖を使わない和風のお菓子」と
「おばあちゃんのおやつ」。

「砂糖を使わない和風のお菓子」という本は
マクロビオティックの理論に基づいて
精白した材料を使わず、
自然の甘味を利用した和菓子の作り方。
食養生という観点からまとめられたレシピ集です。

野菜の甘味や、米や麦あめなど
できるだけ自然に近い甘さのものや
食材にもこだわったものを使用しています。

だんごや求肥の作り方など基本的なことや
季節のお菓子なども書かれていて
和菓子作りの基本としても、たいへん参考にもなります。

「おばあちゃんのおやつ」は
郷土に昔から伝わる手作りのおやつを、
各地のおばあちゃんに話を聞き、1冊にまとめられたものです。
経済的で簡単に作れるおばあちゃんのお菓子レシピ本ですね。

農作業の合間に作る、貧しくても子供たちが喜んで食べたお菓子づくりです。
この本のおもしろいのは、郷土のお菓子が紹介されていること。
奈良県のしきしき、熊本県のいきなり団子、東北地方のがんづき…。
この本で各地のお菓子を知りました。
もちろん、地元の東海地方の鬼まんじゅうも掲載されていました。

季節のお菓子にも意味があったり、
地方によって伝わるものが様々です。
知らない知識を得ることができます。
写真の美しさもあるでしょうが、お菓子の本は以外と楽しいものです。
結構、旅の参考書にもなるんです。

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