旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2007年07月

尾張の食器文化と題した企画展が行われているので、
久しぶりに愛知県陶磁資料館へ行ってきました。
こちらを訪れるのは万博以来です。

器は好きですが、
さほど歴史などを勉強しているわけではないので
古い器を見に行くといった感覚で出掛けたのでした。

江戸時代は和食の文化が完成した時代だとか。
企画展の説明によると
冠婚葬祭などの食習慣、料理屋でださせる会席料理などが
発展したことで、一人一膳という形が確立されたということです。

実際に使われていた陶磁器や漆器などを宴席をイメージし、
なおかつ尾張の陶工の作品を紹介していました。

尾張の焼き物の産地は
いまでこそ、瀬戸、常滑が有名ですが
名古屋城下、犬山などにもたくさんあったようですね。

貸座敷などの料理屋の庭などに窯があり、
料理屋だけの食器を作らせていたということから
贅沢で華やかさを彩っていた時代だったのだと感じます。

初めて見た犬山焼の赤絵、
木具写(きぐうつし)という磁胎に蒔絵を施した製品、
初めて見るものもたくさんありました。

蓋付碗の木具写は、蓋をしていると漆器そのもの。
蓋をとると、内側に磁器に絵付けがあるというもので
たいへん興味を持ちました。

手の込んだ美しい文様や、
ちょっとユニークな形や絵付けのものもあり、
なかなか興味深い展示です。

会期は9月30日まで。一般500円。
また1回ぐらい見にいきそうです。
図録も買っていないし…。観覧料も安いですし、ね。(笑

今日のコラムを綴っている間のBGMは
私のお気に入りのスウェーデンのあるバンド。
夏になると思い出したように、聞くCDなんです。
スウェーデンの言葉なので、
歌の意味は、ぜ〜んぜんわかりません。
音楽とCDジャケットが気に入って
毎年聞き続けているヘビーローテーションなCDなのです。

先週のコラムの「蓮の花」を再度、読み返してみると
子供の頃に見た情景などが思い出されてきました。

そして、見渡す限り蓮根畑が広がり、
その中を1本の農道がずっとずっとまっすぐ続いていて、
車のエアコンを切って
窓全開で走ったことなんぞを思ってみるのです。

でも実際は、
さほど長い距離を走っているだけでもないだろうし、
肥料のちょっと臭いにおいなんぞも漂ってくるし、
かなり自分の妄想だけだったりします(笑
ちょっと自分だけの世界に浸ってますね。

私がお気に入りのドライブは、
木漏れ日の中を走る、
川沿いとか海沿いとかを走る、のほかに
どうしてか蓮根畑の中を走る、っていうのがあるのです。
こればかりは理由不明です(笑

子供の頃はさほど
気になるほどのものでもなかった蓮根畑。
気づかないうちに、
私の原風景として頭の中にあるのかもしれません。

ドライブにぴったりのCDを聞いていて
そんなことを考えて、またまた出掛けたくなりました。

あの蓮根畑は昔のままであってほしいと思うのですが
時代の流れは、そこを変えてしまっているでしょうか。

私の好きな花のひとつに、蓮の花があります。
私が生まれ育った愛知県津島市の近郊には
蓮根の産地の立田村(現愛西市)があります。
そのせいか、子供の頃から蓮に親しんでいました。

小学校の通学路の途中に蓮根畑があり、
通学していた6年間、
毎年、夏に大きな葉っぱと、きれいで大きな花を
ごく普通に見ていました。
花のあとの、蜂の巣のような実のようなものも不思議に思っていました。
生産者の人たちが、腰までつかって収穫していたのを
今でも覚えています。

なにげなく通り過ぎていた蓮根畑も
大人になり、この地から離れて暮らすようになると
妙に愛着が湧いてきました。

以前勤めていた会社近くのお寺の壁には
毎月「お言葉」が掲げられていました。
いつもいい言葉だなと、通り過ぎながら読むだけでしたが
仕事に忙殺されていた頃、
その言葉に立ち止まったことがあります。

泥に咲き 泥に染まらぬ 蓮の花

確かに泥の中から空へ高く伸びた茎の先に
きれいな花が咲きますね。
当たり前の情景が、言葉に表すと心に留まるものなんでしょうか。

筆書きのその味わいもあったと思います。
蓮の花は季語にもありますので、たぶん夏の頃でしょう。
私にとって、これは忘れられない言葉になりました。

その後、極楽浄土の象徴とされ
仏教とたいへんつながりのある花だということも知りました。
蓮華をかたどった台座(うてな)に仏像を乗せたり、
お寺の池に蓮が植えられているもそうなのかもしれません。

年々歳を重ねるごとに
そんな花の持つ意味にも、魅力を感じるようになるんですね。

7月、蓮の花が咲き始めます。早朝に花が開き、昼には閉じます。
ここ2〜3年、蓮畑をみておりませんので
今年は…と思っていたら
今週末は、台風が接近中。さて、来週以降みれるかどうか。
まっ、これもご縁ですね。

P.S.
蓮の花のことを蓮華(レンゲ)と言うそうですね。
私がゲンゲとかレンゲと呼んでいた、春先に田んぼで咲く花は
蓮の花に似ているから蓮華草とつけられたとか。
花の名前もムズカシイ…。

2007年7月7日。今日は七夕ですね。そして今年は、777(ツリーセブン)。
なんとなく、縁起かぎたくなるような、よさげな日にちですね。

そういえば、子供の頃、
母がどこかで笹をもらって帰ってきました。
(あるいは切ってきたのか…?買ってきたのか…?)

一応、短冊なんぞを書いた覚えがあります。
天井にまで届くくらい大きい笹だったと思います。
その頃から、猫の額ほどの裏庭には笹があったような記憶があります。
笹は挿し木ができるのでしょうかね。
今思うと疑問いっぱいなのですが…。

その笹もぐんぐん成長して、
ちょっとした垣根のように幾本にも増えました。
当時は薪でお風呂を焚いていたので
煙突のすぐそばに、笹の葉が届くようになって
火事になると危ないっていうことで
父が時々切っていました。

この他にも狭い裏庭には、クリスマスツリーにつかった
モミの木(のような)木も植えられていて、
2階建ての家よりも大きくなっていました。

なんかお気楽に庭に植えたものだと思うのですが、
土が合ったのでしょうか。
すぐ裏には、お役所の建物が建っていたので
日当たりはよくないはずなのに
木がぐんぐん成長していたような気がします。

こんなお気楽さを、私は引き継いだようです。
数年前にいただいたアジサイの花を
鹿沼土に挿して根がでてきたのでしばらく鉢に。
でもとってもひょろひょろ。
ダメもとで、アパートの敷地内の
枯れたツツジをひっこぬいて
ひょろひょろアジサイを植えてみました。

先月、葉っぱがはえてきてなんとか復活なったようです。
花がつくようにと肥料をあたえたのですが
アジサイは咲かず、アジサイ周辺のツツジだけがたくさん咲きました…

来年はもっと元気に花を咲かせるかなと
お気楽なくせに、期待は大きいのです。

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