旅は、ごちそう。(中川賀代子)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2006年09月

塩尻で昼食をとり、久しぶりに諏訪湖の間欠泉を見ました。
以前見たのはいつだったか。

北澤美術館など私の好きなガラス関連の美術館をはじめ
様々な大小の美術館が近隣にはありますので、
諏訪湖には何度か訪れていました。

今回は先を急ぐので間欠泉だけ見ていくことにしました。
噴出まで時間がありましたので、少し湖畔を散歩。
足湯などの施設もできていましたが
立ち入りを制限するのか、工事用のフェンスが囲んでいて
景観としては、いかがなものかなと感じました。

今回はじめて気がつきましたが
間欠泉の噴出時間は、人工的に操作しているようです。
これも観光のためということでしょうか。

さて、今回の大きな目的の富士山を目指し、
中央自動車道をひた走り。
今回の宿は、富士吉田で宿泊の予定です。

富士吉田に到着してすぐに、
富士急ハイランドのすぐ近くにある喫茶店でしばし休憩。
駐車場からは、遊園地が見える距離ですので
絶叫も聞こえ、これだけでも遊園地の雰囲気を味わいました。
(私は絶叫マシンは苦手なものですから・・・)

最近知ったのですが、富士吉田はうどんの町とか。
ぜひ、うどんを食べていこうと意気込んでおりましたが
行く先々でのつまみ食いが祟って全然おなかが空きません。
うどんは、縁あって再び訪れた時に食べることにしました。

チェックインしたホテルからの眺望が良く、
富士山と裾野に広がる樹海も眺めることができす。
明日も天気でありますようにと、久しぶりに祈りました(笑

昔、貴金属のメーカーに勤めていた時、
ピアスのデザインを担当していた私と同僚は
作成したデザインサンプルを持って
定期的に御徒町の親会社や、甲府の商社を訪れていました。

残念ながら、その業務は数年で終わってしまいましたが
中央本線を乗り継いでいく営業の旅は、楽しいものでした。

名古屋から塩尻へ。そして甲府行きの列車へ。
当時は乗り継ぎが悪く、
塩尻で1時間ほど待ち時間がありました。

その間、塩尻駅構内で過ごしたり、
隣接するお土産屋さんをぶらぶらしたりしておりましたが
その奥にある、たまたまはいったそば屋がとても印象的でした。

時間もあることから
座敷でゆっくりしようとはいった店だったと思います。
天ぷらそばを注文したら、
なんとまあ、大きな海老の天ぷら!
他にも野菜の天ぷらもはいっていたと思います。

そばの良さもわからない20代の頃のことです。
やはり、思い出に残っているのは
その大きな天ぷらのことでした(笑

その後も、諏訪湖に来ると
塩尻のワイナリーを見学したりと、何度か訪れている土地です。
それならば、もっといろいろなお店を訪れてもいいものを
塩尻のおそば屋さんは、ここしか知りません(笑

今回も結局ここに来たなと、
大きな海老天ぷらをほお張り、
若い頃を思い出しながら、そばを吟味したりしておりました。

人とは、味もさることながら、店の雰囲気や
その時の出来事で覚えているものかもしれませんね。

建物内のお土産屋さんは営業されていない様子。
建物も古さを感じます。
ここに一緒に訪れた同僚とは、もう数年連絡もとっておりません。

こんな事を感じるなんて、年齢を重ねたせいでしょうかね。

SOHO(自営業)ということからわりと時間は自由になるものの、
納期にまにあわせるために、
早朝、深夜、時には徹夜になることもあります。

フリーになってから2年ほど。
かなり自分のペースで仕事を調整できるようになってきましたが
一人暮らしのせいか、不規則な生活時間、
PCと向うばかりの仕事で、人と話をすることが極端に少なくなり、
その点がストレスを感じてしまいます。

ですから、旅行が本当に私の気分転換、癒しの時となっているのです。

今年の8月は連休というものがなく、
半月遅れの夏休みをとり、温泉を楽しんできました。
金額が高くなるハイシーズンは
これまでにも旅行を避けておりましたので
いいタイミングでの旅行です。

今回は信州の風景写真もとっておきたい気持ちもあり、
愛知県から中央道で山梨へ、そして箱根へと
ちょっと遠回りではありますが
富士山を見ながら風景と温泉を楽しむプランです。

愛知県からも近く、おいしいものもいっぱいあるので
信州は好きな土地のひとつ。

伊北インターで高速をおり、山や空などの写真撮影。
天竜川が流れており、
ここから静岡の太平洋まで流れているのかとびっくり。
天竜川=静岡県と思っておりました。

国道を走っていると横川渓谷の案内板があったので
誘われるままに、道を左折。
田畑の中、まっすぐ続く道を走りました。

白くて小さな花が咲く畑がたくさんあり、
もしかしたら時期的に、蕎麦の花でしょうか。
見たことがありませんので憶測ですが
小花がたくさん集まって、牧歌的な村にぴったりです。

しばらく走ると山道となり、川沿いのダム湖で休憩。
ダムの名前を失念しましたが、天気もよく
こちらでも再び山々、雲などの写真をデジカメ撮影。

ここから奥には天然記念物の大きな岩や
滝などがあり、横川渓谷の自然が美しいようですが
災害の影響で立入禁止となっていました。

国道へ戻る途中、「日本一大きいかやぶきの屋根」らしい
<strong>かやぶきの館</strong>という施設でトイレ休憩。
まだ新しい建物で、田舎を楽しむことをコンセプトにしているようです。

高速道路のサービスエリアで食べたおやき
あまりおいしくなかったので
ここの売店で売られているおやきでリベンジしたかったのですが
お昼の事も考えて、ちょっと我慢。。。

農業体験施設も近くにありましたので
このあたりではやはり、自然、田舎、郷土料理などを
テーマにした観光や体験に力をいれているようです。

お昼ごはんは蕎麦と決め、塩尻へと向かいました。

愛知県瀬戸市で毎年9月の第2土・日曜日に開催されるせともの祭り。
今年は、明日9月9日・10日に開催される予定で
町はお祭りにむけての準備が進んでいます。

近隣の施設での陶芸展や催し物、パレードなどがあるようですが
一番の人気は大廉売市でしょうか。
たくさんの人でにぎわいます。

ここに住む者としては、お祭りもいいですのですが
まずは交通規制を把握しておかないといけません。

昨年の愛知万博を機に、尾張瀬戸駅周辺の様子が変わりました。
これまでは、駅前を流れている瀬戸川の両側にある道路のひとつを
通行止めにして廉売市がたっていたものを
駅周辺を中心とした設営に変わってきているようです。

私は時々しか行っていませんので
毎年の祭りの様子はわかりませんが
行くたびに思うのは、雨が降っているか、暑いかです(苦笑

これまでの川沿いのせともの祭りは
1車線の道幅にテントが店ごとに設営され、そこを何万人という人々が集まります。
陶磁器業者から作家まで、様々な商品が並び、
見るだけでも器好きには楽しいのですが
暑いし、人が多いしで、辟易してしまいます。

また駐車場も離れていますから
1kmほど歩くこともあり、
買物してからの駐車場までの道のりは結構きついものでした。

せともの祭りは、歩きやすい格好に、汗を拭くタオルは必需品です。
そして人ごみの中での日傘は、目にあたりそうでとてもコワイです。
帽子を被ることをオススメします。

私は初日の午前中か、二日目の夕方に行くようになりました。
初日の早い時間はまだ商品が並んでいない店もありますが
のんびりと祭りの始まりの雰囲気を味わいます。

二日目の夕方は、最終日ですので
値段が下がるのを目当てにして行きます。
購入の目的がある人はこの時間帯がいいでしょうね。

さて、今年の人出はどのくらいになるでしょうか。
時間ができたら歩いてみたいと思っています。
買いたいものはないのですが
目にとまる素敵な器に出会えるでしょうか。

私は喫茶店でのんびりするのが好きです。
ゆっくりと本が読めるくらいの静かさか、
人の話が苦にならない程度のざわめき。
そしておいしいコーヒー、あるいは紅茶。
時には甘いお菓子もいいですね。

コーヒー豆や紅茶などの茶葉がありますので
家でも飲むことはできます。
しかし、自宅で、しかもひとりで仕事をするようになってから
一日誰とも会わない、話さないという日があります。

そういう状態がイヤなので、気分転換もかねて
喫茶店にでかけております。
最近では、一日一回ペースになっています。

私の喫茶店の好みは、文頭にもありますが
コーヒー・紅茶のおいしさはもちろんのこと
店の雰囲気も重要なポイントとなっています。

いつもの行動範囲の中で
いい店を見つけると、うれしい気持ちになります。
車を運転している時でも
ちょっとおしゃれな建物や
自家焙煎などと書かれた看板を見つけた時には
Uターンして確認しに行くこともあります(笑

そんな風ですから、ちょっと出掛けた先でも
よさそうな喫茶店にいきたいと思っているのです。

観光地となると、観光客のためのカフェや喫茶店が多いのですが
私はあえて裏道を歩きたい。
そこでなにやらアンテナが働いて
訪れた店が好みの店であると
とたんに、旅がすばらしいものになるのです。
単純なものです。

しかし、旅日記やメモをとっているわけではありませんので
その次に訪れた時に
場所や名前すら忘れています。

なんとなく街の雰囲気で覚えている。
たしかこのあたりだと思った時に
再びその店に出会えた時、
とてもうれしい気持ちでいっぱいになります。

逆に出会えなかった寂しさもあります。
無駄に動きたくない時は
いろいろと調べたりしますが
時にはこんなゆる〜い気持ちもいいかも。

ただし、同行者がいる時は
店捜しもほどほどにしないといけません。

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